ビジネスでも日常生活の中でもよく聞く「できますでしょうか」という表現。仕事中の電話応対でも、メールの文面でもよく聞いたり見かけたりします。しかし、この表現なんだか言いづらく、変に聞こえませんか?どこか謎の表現である「できますでしょうか」についてみていきます。 みなさんは「送る」という言葉を場面場面で正しく使い分けていますか?「送る」という言葉にも敬語表現があります。間違った敬語表現や間違った言い方をしていませんか?この記事は「送る」についてメールや手紙に書く時の表現やお願いする時の表現などを紹介していきます。 例えば「〇〇日までに納品できますでしょうか?」といったもの。普通に「納品できますか?」とか「納品は可能でしょうか?」と言えばいいはずなのですが、そこはクライアントや取引先を気にしてのことなのか、つい丁寧に「納品できますでしょうか」と言いがちです。 一番使いやすい表現が「可能でしょうか」です。こちらの方が簡潔で分かりやすく、聞き手の方も理解しやすい表現です。「できますでしょうか」に比べても回りくどさがなく、話すほうもすっきりということができるものです。 ちなみにこの例で正しい言い回しに直すと、社長がお帰りになる、お客様がお召し上がりになる、というのが正しい表現です。次に多い二重敬語のパターンが、「~させていただく」というものです。「させて」というのはまるで聞き手が余計に命令したかのように聞こえ、相手に不快感を与えがちだからです。 「できない」の敬語表現をご存知でしょうか?上司や取引先、お客様からの無理難題に、「できない」とそのまま言っては失礼になります。正しい敬語を使いましょう。こちらでは「できない」の丁寧語や謙譲語、言い換えた表現やビジネスメールの例文などをご紹介していきます。 そして、この「できますでしょうか」というのは果たして正しい言葉遣いと言えるのでしょうか?今回はこのいかにも不思議な表現である「できますでしょうか」について見ていきます。最初に「できますでしょうか」という言葉の意味を見ていきたいと思います。そんなに難しく考える必要はありません。平たく言えば、「できますでしょうか」→「できますか」ということなのです。 ビジネスメールの文例、よく使用されるフレーズを掲載。相手や用途に応じた社内メール・社外メール・社交メールの文例、フレーズを多数紹介。文例は、コピー&ペーストで使用可能なのですぐにビジネスで使用できます。敬語のフレーズ 正確には、お相手する、お願いします、が正しい表現です。一般的に美しさがなく回りくどい印象を与えがちであるため、ビジネスや公式の場では避けるべき二重敬語ですが、実は二重敬語ではなく、敬語を連結した敬語連結ならば正しい表現となります。
ビジネスシーンでは「できません」という言葉が使いにくく、何と言えば良いのかと考え込んでしまうものです。今回は、その結果使われがちな「できかねます」という言葉の意味や敬語などについて解説します。ぜひこの機会に「できかねます」という言葉の使い方をマスターして職場や日常で上手く使っていきましょう。目次目上の方やお客様などへ向けられる「できかねます」という表現は、主に相手に対して何かを断る場面で使われます。相手からの要求通りに従うことができないときに「できません」という意味として「できかねます」という言葉を使います。なぜ「できません」という言葉を使わずに「できかねます」を使うのかというと、目上の方への礼儀のひとつとして「ストレートに断ることは失礼」という風習があるためです。そのため「~することが難しい」「~することができない」という意味を持つ「~しかねます」を使って「できかねます」とし、「大変申し訳ありませんがそれはできません」という意思を伝えるのです。「できません」という意味を持つ「できかねます」は目上の方への礼儀として使う婉曲的な表現です。しかし敬語ということではありません。「できかねます」に使われている「できかね(る)」は「できない」という意味しか持っていません。また「できかねます」の「ます」は丁寧語です。よって「できかねます」には敬語表現は含まれていません。そのため目上の方から目下の方に対して「それはできかねるな」と使うこともあります。「できかねます」という言葉は、言い方によっては言葉の力が強く、受け取る人によっては圧を感じる言葉です。「できかねます」が敬語ではないということを知っておくと、目上の方に対して「できかねます」を多用するべきではないという判断に繋がりやすくなります。「できかねます」という言葉は、日常的に使われている「私は○○ができる」「私は○○ができない」という意味の「できる」に「~しかねる」の「かねる」を付けて構成されています。そのため、漢字で書くと「出来かねる」となります。「できかねる」を平仮名で書くか、漢字で書くかというところについては意見が分かれるところですが、結論から言えばどちらで書いても大きな問題はありません。基本的に「できる」を「出来る」と漢字で書くのは、「出来」を含んだ定着した語句の場合です。「出来高」「出来事」など言葉として独立しているものは漢字を使うと言われています。そう考えると「できかねる」という言葉は語句として独立している、していないの判断が非常に微妙な言葉です。そのため「できかねる」「出来かねる」のどちらで書いても特に間違っているとは言えないでしょう。相手から何らかの要望をされた場合に、それを断る言葉として「できかねます」が使えます。「できかねます」を使うときは、できるだけ「何ができかねるのか」という部分を明確にすることで相手に納得してもらいやすくなります。相手はただ「できかねます」と言われるよりも「○○ができかねます」と言われた方が納得しやすくなります。お客様などから、商品やサービスの値下げについて要求された場合にも「できかねます」を使ってお断りすることができます。「お値下げは難しゅうございます」などやんわりとお断りすることもできますが、それでも相手が納得をしてくれない場合などには「できかねます」を使ってお断りしても良いでしょう。「できかねます」とほぼ同じ意味を持った言葉に「いたしかねます」というものがあります。この「いたしかねます」は「いたす」+「~しかねる」で「いたすことができない」、つまり「できない」と言っているのと同じ言葉です。「いたす」という言葉は「致す」とも書き、いずれにしても自分が「する」という意味を持っています。自分がそれを「することができない」という状況を「いたしかねる」という言葉で表しています。「いたす」という言葉は自分の行動をへりくだって相手に伝える謙譲語です。そのため「いたしかねます」は「できかねます」の敬語として使うことができます。意味は「できかねる」と同じですが、相手に対してへりくだる気持ちを強く表したい場合は「いたしかねます」と表現すると良いでしょう。目上の方からの依頼や注文に対して「できない」とストレートに断ることが失礼だから「できかねる」という婉曲的な表現を使っているということは既にお伝えしました。しかし、もう一歩相手の気持ちに歩み寄ると「断られるということへの心情」が見えてきます。自分が「こうして欲しい」と相手に伝えたことが叶わないとき、多くの人は残念な気持ちになるのではないでしょうか。人によっては恥ずかしいという気持ちを持つかもしれません。その心情に先回りして考えてみると「できかねます」という言葉では、心情を察するに足りないのではないかという懸念がでてきます。そうすると「難しい」という言葉を使って「できない」という事実を相手に伝えることも、敬語表現のひとつと考えることができます。相手からの要求に対して「大変恐れ入りますが、それは大変難しいかと存じます」など「難しい」という言葉を使うと、相手は「自分は無理なことを言っているのだな」と状況を読み取りやすくなります。目上の方に対して「難しい」という言葉で「できない」という意味を伝えても、状況によってはこちらの心情や状況を理解してもらえないこともあります。その場合は「○○することができません、なぜなら~」とやや明確な表現を使うこともできます。本来であれば、目上の方へ「できません」という言葉を使うこと自体が失礼です。しかし前後の言葉に注意をし、さらにはその理由を丁寧に伝えることができれば「敬意を持った会話」として成立させることもできます。「○○する”こと”ができません」と普段は省略されがちな言葉を全て使い切り、かつその理由を後に付けることで、相手は「それができない」という状況を理解することができます。さらに、なぜそれが受け入れてもらえないのかという理由も知ることができます。相手の理解に頼る表現にはなりますが「できかねます」という言葉を使っている心情が伝わらない場合や、相手がより明確な回答を希望している場合に使える話法です。相手から何かを依頼され、その依頼を断るときに使える表現に「承りかねます」があります。「承る」は「引き受ける」という意味なので、そこに「~しかねる」が付いて「引き受けることができません」つまりは「対応できません」という意味になります。「承りかねます」でも意味は通じますが、敬語としてはやや雑な印象を受ける方も多いでしょう。少し変形をさせて使うことで失礼を軽減させることができます。目上の方とのやり取りで、自分ではすぐに判断して回答することができず相手に少し待って欲しいと伝える場面はよくあります。そのときに使えるのが「判断しかねます」です。「判断しかねます」は「判断することができない」という意味なので、「判断しかねます」の後には「したがって~」という理由とその後の提案がされることが一般的です。「できかねます」の敬語としても使える「致しかねます」はビジネスのあらゆるシーンで使うことができます。「いたしかねます」という音も「できかねます」に比べると柔らかく、相手に対する配慮が見られます。「あいにく」「恐れ入りますが」「申し訳ございませんが」などのクッション言葉と一緒に使うと、より失礼がありません。目上の方へ、自分が「できかねます」という言葉を使うことはあります。しかし「できかねます」を変形させて「できかねますか?」、つまり「できませんか?」という問いかけに使うことはできません。それができるかどうかを相手に尋ねたい場合は「いかがでしょうか」などやんわりとした表現を使います。「できかねます」に使われている「~しかねる」には「~することが難しい」という意味があります。しかし「~しかねる」には「そうなるかもしれない」という意味があり、「~しかねる」には相反する2つの意味があります。「できかねません」という言葉に使われている「~しかねる」は「そうなるかもしれない」という意味です。「あいつならやりかねない」「この様子だと困ったことになりかねない」など「普通ならそうはならないが、そうなる可能性が出てきた」という意味と同じ「かねません」が使われています。つまり「できかねません」というと「普通ならできないことだが、できる可能性がでてきた」という意味となり、相手には「できるかもしれない」と伝わります。自分が「できない」という意味で使いたいのであれば「できかねます」、「できるかもしれない」という意味を持たせたいのであれば「できかねません」です。しかし一般的に「可能性がでてきた」という意味で使われる「やりかねない」「なりかねない」「できかねない」は悪い意味で使われることがほとんどです。目上の方に対して、純粋にできるかもしれないということを伝えたい場合は「できるかもしれません」とシンプルに伝えた方が良いでしょう。世界では「Noと言えないのは日本人の特徴」とまで言われています。しかしその特徴の裏には「相手に嫌な気持ちになってほしくない」という思いやりの気持ちも隠れています。状況によっては明確に「できない」と伝えなくてはならないこともありますが、可能な限り少しでも柔らかい「できかねます」という言葉を使いたくなるのもまた、日本人の特徴なのかもしれません。©Copyright