人間は二足で立って、手で食物を運ぶという歩行様式をつくったことによって、敏捷性が落ちました。つまり弱くなってしまったのです。肉食動物が狙うのは、大人ではなくて子どもです。子どもがたくさん肉食動物に殺され、幼児死亡率が上がります。哺乳動物で、肉食動物の餌食になる動物に、日本ではイノシシやシカがいますね。彼らは、一様にある特徴を持っています。それは、たくさん子どもをつくれるということです。たくさん子どもが殺されるのであれば、それ以上に子どもを産まなければ、その種を増やすことはできません。人間の祖先も同じように多産型の道を選びます。ただし、一度にたくさんの子どもを産むことは類人猿の性質上不可能なので、出産間隔を縮めて何度も子どもを産むような形になるのです。そのためには早くに離乳させなければいけない。母乳をあげているうちはプロラクチンというホルモンが出て、排卵が抑制されます。つまり妊娠ができないのです。おっぱいから引き離せば、排卵が回復して、早く次の子どもを産む準備ができる。その為、赤ちゃんの離乳が早くなったのです。そのために、本来ならば授乳しているはずの赤ちゃんへ、代わりに違うものを食べさせるということになった。ゴリラなど人間に近い類人猿は、離乳する前に永久歯が生えています。離乳した時から、大人と同じ物が食べられるのです。でも、人間の赤ちゃんは1〜2歳で離乳しますから、ずっと乳歯です。6歳にならないと永久歯が生えてこない。本来ならば、人間の赤ちゃんは6 歳まではお乳を吸っていていいわけです。ところが、そのずっと前に、赤ちゃんはお母さんから離されます。そのために、赤ちゃんに特別なもの、柔らかい、糖分の高い果物などを運んでもらわなければいけなかった。それにはコストが必要だったし、危険が伴ったはずです。そうまでして人間は赤ちゃんを離乳させ、その成長の遅い赤ちゃんを、みんなで育てるということを始めたのです。 しかも、200万年前には人間の脳が大きくなり始めました。当初はまだ、600ccという、ゴリラの500ccをちょっと超えた段階でしたが、それから150万年間に人間の脳は3倍になりました。われわれの脳はゴリラの脳の3倍ぐらいある。その脳を大きくするために、成長期にまずは脳に過大なエネルギーを送り続けて、その分、身体の成長を遅らせるということを始めたわけです。なので、人間の赤ちゃんはまず脳が一気に成長する。その脳の成長を助けるために、分厚い脂肪に包まれて大きな重たい赤ちゃんを産むようになったわけです。しかも、直立二足歩行によって骨盤の形が大きく変わってしまったため産道を大きくできない。だから、出産に時間がかかる。難産になる。母体が危険にさらされる。それをみんなで助けて出産をさせ、そして、ひ弱でエネルギーがたくさんいる赤ちゃんを、みんなの手で育てる。それが可能になったから、人間はたくさん子どもを増やすことができ、死亡率が高い過酷な環境で生き延びることができるようになった。これが人間の社会力なんです。 チンパンジーと人間がdnaの96%の類似性を共有していることが研究により示されています。人間、チンパンジー、ボノボはゴリラと1.6%異なり、人間とアフリカの類人猿はオランウータンと1.3%異なります。人間を含むすべての素晴らしい類人猿はサルと7%異なります。 『ゴリラと人、98.25%同じ…ゲノム解読 [読売新聞 3月8日 10時13分配信] ゴリラの全遺伝情報(ゲノム)を、英国などの国際チームが解読した。 人間とゴリラのゲノムの違いは1.75%で、共通の祖先から1,000万年前に枝分かれしたらしい。
最初に、分かち合いという話をします。これは、人間の立って歩くという歩行様式に大いに関係があります。ゴリラ、あるいはゴリラを中心とする人間以外の霊長類では、食物を分け合うということはほとんど起こりません。彼らの食べ物は基本的に植物ですから、あえて分ける必要がないのです。彼らが住んでいる場所は熱帯降雨林という、一年中豊かな果物や緑の葉っぱがある場所です。そこでは、個人個人がめいめい好きなものを取って食べれば、それで済んでいたし、一年中食物が途絶えることがほとんどなかった。 また山極先生の研究によりますと、人間とゴリラの遺伝子の違いは実は1.2%ほどしかなく、このゴリラの社会や生態を見つめる事で、人間がどのような経緯で、今のような形にまで進化してきたのか、その背景というものが見えてきます。 手話を覚えるゴリラも ゴリラと人間の差は”1.75パーセント” 『ゴリラと人、98.25%同じ…ゲノム解読 [読売新聞 3月8日 10時13分配信] ゴリラの全遺伝情報(ゲノム)を、英国などの国際チームが解読した。 人間とゴリラのゲノムの違いは1.75%で、共通の祖先から1,000万年前に枝分かれしたらしい。
なぜ、人間は、1日に1回ぐらいしか排便をしないのだろうとか。だって、ゴリラを見ているとびっくりするくらい、1日10回以上するんですよ。ゴリラと人間って、形態的には近いはずなのに、なんでこんなに違うのだろうとか。 私たちの身体や心は、食物や子育てを分かち合う信頼ということを根本に据えて、社会をつくるという能力によって築かれている。それは、1万2千年前に農耕牧畜が始まり、定住が始まり、都市が出来上がるよりずっと前につくり上げられた私たちの能力なのです。それが今、急激に人口増加が起こり、環境が人工的に変わり、私たちは情報通信機器を使って、様々な人々とつながり、まさに身体ではなく脳でつながり始めています。その脳でつながり始めた延長線上にAIが出現してきているわけです。 (1)ゴリラとサルの違いのほうが、ゴリラと人間の違いよりも大きい. 旬のまとめをチェックファッション,美容,コスメ,恋愛事件,ゴシップ,スポーツ,海外ニュース映画,音楽,本,マンガ,アニメ旅行,アウトドア,デート,カフェ,ランチインテリア,ライフハック,家事,節約おかず,お弁当,おつまみ,簡単レシピエクササイズ,ダイエット,肩こり,健康キャリア,転職,プレゼン,英語Webサービス,スマートフォン,アプリクリエイティブ,写真,イラスト,建築トリビア,不思議,名言,逸話ユーモア,ネタ,癒し,動物,びっくり過去の人気まとめをチェック そして、ただ食物を得ていた時とは違い、今度は分配するということが必要になります。例えば食物を3つ持って帰ってきて、それを10人で分ける場合に、不満の無いように分ける方法が必要です。待っている人たちも、自分の取り分が何かということを、そこで考えなくてはならない。そのように食物が人と人とをつなぐ重要な接着剤となったわけです。食物を持ってくる人は、その人間関係をコントロールすることさえできる。だから、食物は人間の社会的な道具になった。これはとても大きな変革だったと思います。 私が今日皆さんに申し上げたいことは、ゴリラから見るとき、人間の一番素晴らしい点は何かといいますと、「分かち合いの精神」、それから「弱みを強みに変える」という発想です。これは、ゴリラにはできなかったことなのです。 人間とゴリラのゲノムの違いは1.75%で、共通の祖先から1,000万年前に枝分かれしたらしい。 出典 ゴリラと人は98.25%同じ! チンパンジーは98.73%! 人間はゴリラは似てる所がいっぱい(むしろゴリラの方が感情豊かだと感じる部分も)。ゴリラを知ることは人間を知ること。ゴリラには見習うべき箇所もある。更新日: 2018年11月24日 ゴリラは”死を悼む” 心と体というものは一つです。そして、個人というものは決して溶け合えるものではない。だからこそ人間は分かち合ってきたわけです。ゴリラは仲間と一緒に行動します。身体で同調する能力は、おそらく人間よりゴリラの方が高いでしょう。しかし、様々な状況、目的に応じて、個体同士がつながることはゴリラには出来ません。今ここで400人以上の方々が一堂に会して、シーンと静まりかえって私の話を聞いている。こんなことは、ゴリラにも、チンパンジーにもできません。人間は一つの状況を簡単に分かち合うことができる。ある目標をみんなが持って、その目標に向かって進むということが人間にとっては、いとも簡単にできるのです。