オリーブは常緑の高木です。太陽と温暖な気候、水はけの良い土壌とたっぷりの水が大好きです。オリーブは初夏に白や黄白色の小さな可愛い花をたくさん咲かせます。その様子は同じモクセイ科のキンモクセイとよく似ています。その後、丸くて可愛らしいグリーンの実をつけ、その実は赤、紫、黒へと成熟します。実はそのまま食べるととても渋いのですが、加工することで美味しいオリーブオイルやピクルスなどになります。そのように家庭の食卓でも日常的に利用されているオリーブですが、植物としてのオリーブの魅力は何といっても樹形と葉の形です。葉の表面は光沢のある緑色、裏面には白い細毛が密生していて、風が吹くときらきらと銀灰色に輝きます。「平和の象徴」としてハトが葉を口にくわえているデザインをラッキーモチーフなどで見たことがあるかもしれませんが、あの葉はオリーブです。「平和のシンボル」とされるのは「旧約聖書」のノアの箱舟のエピソードに由来します。ハトがくわえてきたオリーブの枝を見て、ノアは洪水が引いたことを知ったのです。また、オリーブは萌芽力にも優れ、樹齢もとても長く、地中海沿岸地域では1000年を超える老木が今だに実をつけるそうです。オリーブグリーンと言われる色もありますが、他の植物にはなかなかないような葉色や、スモーキーで乾いた感じの枝や幹の色など、様々な魅力があります。オリーブは違った品種を2本以上植えた方が実がつく確率が俄然アップします。オリーブの葉は、ポリフェノールや鉄分、カルシウムなどが豊富に含まれ、美肌や健康効果があるといわれているオリーブの葉。浴槽に入れたり、お茶(フレッシュ、ドライどちらでも)にすることもできます。防虫効果もあるようなのでドライにしたオリーブの葉をネットなどに入れてクローゼットに入れてもいいですね。使う際は農薬等の確認をしっかりしてから活用しましょう!オリーブは日当たりを好むので、基本的に風通しの良い戸外で育てます。オリーブは温暖な気候を好み、年間の平均気温が15~22℃程度の場所で露地栽培が可能です。しかし、短い期間ならマイナス10℃くらいの寒さにも耐えられます。ただしそれ以上の寒冷地では、冬は霜の当たらない軒下・夜は室内に入れるなどして工夫しましょう。暖かい地域では、木は元気に育つものの花芽が分化する1月に寒さが足りないと花が付かない場合があります。オリーブは過湿に弱いため、水はけの良い土に植えることが大切です。鉢植えのオリーブは、培養土に排水性を高める小粒の赤玉土を混ぜたり、アルカリ性を高め、微生物が増えるようにくん炭を混ぜるのがおすすめです。オリーブは弱アルカリ性を好みます。排水性と通気性を良くするために、鉢に鉢底の石を敷いてから土を入れて植えましょう。地植えのオリーブは、しっかりと耕し、土をやわらかくするための堆肥を入れて土と良く混ぜます。数年後に土が固くなってしまった時は、株のまわりを耕し、小粒の赤玉土や腐葉土、苦土石灰を施して混ぜ合わせます。オリーブは温暖な地域で育つ植物なので、乾燥には強いです。しかし、鉢植えの場合は土が乾燥しやすいので、土の表面が乾いたら鉢底穴から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。夏場、乾燥気味に育てると葉が落ちてしまう可能性があるので気をつけましょう。地植えの場合は、しっかり根付けば定期的な水やりは必要ありませんが、花芽分化する冬と結実期は水を切らさないように注意しましょう。オリーブの花芽が動き出す3月、実が充実する6月、実を収穫したお礼肥えの10月の、年に3回与えます。肥料に記載のある規定量を与えましょう。オリーブの専用肥料も販売されています。葉の先端が黄色くなってきたら、追肥が必要です。鉄、マンガン、ホウ素、マグネシウム、カルシウムなどの微量要素が足りない証拠なので、追肥で栄養補給しましょう。オリーブの木は害虫は比較的つきにくいです。いくつか病害虫を紹介しますが、特にオリーブアナアキゾウムシには注意しましょう。オリーブアナアキゾウムシ:体長15㎜ほどの黒褐色をした昆虫で、6本の足と長い口吻を持ちます。幼虫が樹の内部から食害するので気づきにくいです。株元におがくず状の木くずを発見したら、オリーブアナアキゾウムシが発生しています。株元や木肌を良く見て、ぼこぼこと荒れた部分を探します。そこをマイナスドライバーなどでほじると、食害された木質部がぼろぼろとくずれるので、幼虫や成虫を見つけて捕殺しましょう。オリーブアナアキゾウムシの成虫は、株際の樹皮下や枯れ枝の下で越冬するので、オリーブの株元近くには何も植えず、雑草も取ってすっきり保っておくと、早めに気が付いて対処することができます。オリーブは、栽培する環境や目的に合わせて品種を選びましょう。・オリーブの育てやすさで選ぶ・オリーブの樹形から選ぶ・オリーブの果実や葉から選ぶオリーブの植え付けは、真夏と真冬を避ければ通年大丈夫ですが、3月中旬~5月中旬が適期です。植え方のポイントは、地面から出ていた部分には土がかからないように、深植えにしないことです。風で苗が揺れると根付きが悪くなるため、支柱を立てて支えます。根まき苗は、根鉢をくずさずにそのまま植えます。▼こちらでオリーブの仕立て方を詳しくご紹介しています。オリーブの適果の適期は、6月~7月上旬です。実が大きくなるにつれて、自然に落ちる実が出てきます。これは、その株に見合った数の実を残し、しっかり成熟させるための「生理的落果」なので心配はいりません。通常、残る実は花の数の一割程度です。中型~大型の実をつける品種では、適果を行って数をさらに減らすと、その品種本来の大きさの実に育ちます。実がブドウの房のようについていると、それぞれの実が大きくなりません。大きい実を残して、小さい実を指である程度摘み取りましょう。オリーブの実がつく、つかないは剪定次第です。オリーブは、その年の春から初夏に伸びた新梢に、翌年花を咲かせて実をつけます。そのため、剪定の時になるべく新梢を残しつつ、混み合ったところを中心に剪定することが大切です。剪定する枝は、重なり合っている枝、下向きの枝、内側向きの枝、平行に出ている枝、ひこばえ(根元から脇芽のように出だ枝)は、必ず切りましょう。また、オリーブの木を若返らせるには強剪定が効果的です。重く茂りすぎた木は、思いきって太い枝の部分で切り戻しして、木のリフレッシュをはかりましょう。強剪定の翌年は実がつきませんが、2年目には元気な枝がたくさん出て形も整い、実もぐんとつきやすくなります。光も風も良く通る、小鳥がすり抜けられるくらいの枝ぶりを目指しましょう。オリーブの鉢植えは3年に1回を目安に新しい土に植え替えします。植え替えは真夏と真冬を避けていつでも行うことができますが、最適期は3月中旬~5月中旬です。 花が咲いている時期や真夏の気温が高い時期、真冬ではなく、比較的気候が安定している春や秋に植え替えをすることがおすすめです。鉢植えを何年も植えっぱなしにしておくと、根詰まりを起こして生育不良の原因になります。オリーブを植え替える時は、伸びすぎた根や樹形を乱す枝などを少し整理してから植え替えしましょう。植え替えのたびに鉢を大きくするのは大変なので、大きく育てたい場合は一回りか二回り大きい鉢に植え替え、そのままのサイズを保ちたい場合は、根を整理して同じ鉢に新しい土で植え替えます。やむを得ず、真夏や真冬に植え替える場合は、植え替え直後に強い直射日光や雨、寒風や霜にあたらないよう養生することが必要です。オリーブは5月中旬~6月上旬頃、白や黄白色で直径5㎜くらいの、小さくて可愛い花をたくさん咲かせます。咲いている期間は1週間程度です。花粉は主に風によって運ばれます。開花中に雨に濡れると花が落ちたり、花粉が飛ばなかったりして受粉できないことがあります。開花中は軒下に移動させるなど、雨から花を守ると安心です。オリーブは同じ品種の花粉では受粉しない「自家不結実性」という性質があります。実をつけさせたい場合は、2品種の栽培をおすすめします。なお、自分の花粉でも受精する「自家結実性」の性質がある品種もあります。「自家結実性」のある品種でも、他の品種の花粉があると、実つきはさらに良くなります。オリーブは夏場にかけて実ができはじめ、最初は緑、その後秋に赤から黒い実になります。それぞれの色の過程で、香りや風味が変わります。なお、オリーブの実はアクが強いので、生食には不向きな実です。重曹水や塩水でアクを抜く作業が必要です。オリーブの挿し木の適期は6月~7月上旬です。元気の良い新梢を長さ10㎝ほどに切って水に2時間ほど挿しておき、土に入る部分の枝葉は取り除いて、あらかじめ濡らした挿し木用の土に挿します。しばらくは直射日光があたらない明るい日陰に置き、常に土がしめっている状態を保ちます。肥料は必要ありません。根が出るまで心配ですが、引っ張って抜いてしまったりせずに我慢しましょう。オリーブは根よりも先に芽が出てきます。今回は根回り60cm位のオリーブを植えますので、それが入る大きさの穴を掘ります。正面にしたい向きを決めたら、そのまま掘った穴の中へ 根っこ部分が麻で根巻きされている場合は、取ると根が崩れたり乾燥してしまったりするので、取らずにそのまま植えます。麻はいずれ土中で分解されるので大丈夫です。 土を足しながら根鉢が隠れるまで土をかぶせます。 土をかぶせたら、株を固定するために土が足りないところは奥まで刺さりますので、ぐるっと何周か繰り返すと刺さる深さが浅くなっていき、完了です。植え付けが終わったら必ず水やりを行いましょう。その際、草花の苗を植えた時のような水やりでは十分に下まで水が行き渡らず、すぐに乾いてしまうので、木の場合はダムを作ります。 ダムを作る際は、土が柔らかい場合は手でも大丈夫ですが、土が固い時は、足で根鉢を固定させるように踏みながら根鉢の周りを一周させると自然に溝を作れます。ダムを作り終えたら水を与えます。 初めは水をすぐ吸収するので沢山与えます。いっぺんに与えるとダムから溢れますので何回かに分けて与えます。根っこまで水がいくように、水を与えながら棒などで挿していきます。水があふれそうになったら一旦止めて、再び棒を刺していきます。場所によっては深く刺さったり浅く刺さったりしますので、深く刺さるところを重点的に行ってください。たまった水が無くなったら、再び水を注ぎます。これを3回くらい行うと段々水が吸収するスピードが遅くなり、水が溜まりやすくなってきます。そうしましたら、水が引くまでしばらく放置します。水が完全に引いたら土を被せて完了です。オリーブは根が浅く、倒れやすいので風などで倒れないように支柱をします。支柱を立てたら植え付け完成です!植え付け後は、極端に乾燥させないように気を付けながら管理を行いましょう。オリーブを鉢から抜いて、肩こりをほぐすように、木の肩の部分の土を優しくもみほぐしていきます。 岡井先生は、イギリス製の根かきフォークを使ってオリーブの根をさくさくとほぐしていました。使い古しのフォークや割り箸などを使って根をほぐしてもいいそうですよ。 このようにオリーブの根の先がバラバラになるくらいほぐします。 次に、オリーブを植え替える鉢に鉢底ネットを敷いて、オリーブ専用の土を入れていきます。排水性と保湿性に優れた土を使えば、鉢底の石は特にいらないそうです。鉢の1/3くらいまで土を入れたところで、オリーブを植えていきます。 オリーブの周りに土を入れ、途中、両手を縦にして鉢にさし、隙間にしっかり土を入れていきます。水を与えた時に土があふれ出ないように、必ずウォータースペースを残しましょう。そして、仕上げは土を必ず平らにします。このように、オリーブを同じサイズで楽しみたい時は、根と枝を整理して、また同じ鉢に植え替えれば大丈夫だそうです。鉢をひと回り小さくすればサイズダウンすることも、大きく育てたい時は、根鉢よりも一回りか二回り大きな鉢を選ぶとサイズアップできるそうですよ。 別の植え替え時の写真ですが、手を縦にして鉢にさすイメージはこんな感じです。鉢の底の土がふかふかした隙間だらけの状態だと、木がぐらついてしまうので注意しましょう。▼オリーブの植え替えについて、こちらの記事で詳しく紹介しています!・オリーブの新梢を刈り込ないようにしましょう。・オリーブには肥料を適期に十分に与えましょう。・オリーブを乾燥させすぎないよう、乾いたらたっぷり水をあげましょう。・できれば、開花しているオリーブの花を雨に当てない方が良いでしょう。・2つ以上の品種のオリーブを育てましょう。・オリーブの人工授粉にチャレンジしてみましょう。戸松敦子戸松敦子戸松敦子戸松敦子戸松敦子戸松敦子熊木健二小野寺葉月LOVEGREEN編集部大曽根百代LOVEGREEN編集部LOVEGREEN編集部
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オリーブの木を剪定する時期と方法は?どんな樹形にするの? 2018年12月20日 HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap. オリーブの生育について 地植えのオリーブ(ルッカ)なんですが植えて3年、びっくりするほど成長していません。3年経った今も購入時から15cm程しか成長しておらず、現在1.2m程、ひょろひょろで葉も本当に少ししか付いていません。 ∟∟∟∟∟∟∟∟∟∟∟∟∟JASRAC許諾番号:9008249113Y38200Copyright (C) 2020 Yahoo Japan Corporation.