アミロイドβとは. アミロイドβは、脳の神経細胞の老廃物と呼ばれるものです。 通常2つに分解されるべきアミロイド前駆体タンパク質(app)という物質が、加齢などによる代謝異常で3つに分解されると、アミロイドβが生成され、老廃物として蓄積されていきます。 その原因をひと言でいうなら、「たんぱく質のごみ」の蓄積です。 一つ目の「ごみ」は、たんぱく質「アミロイドβ」です。日々分解されて消えるものですが、なんらかの原因で分解しきれず、脳の神経細胞の外にたまってしまいます。これを「老人斑」といいます。 All Rights Reserved. 蓄積したアミロイドβは、脳細胞を死滅させると考えられています。記憶の主体である脳細胞が死滅すれば物忘れが起こると考えれば、イメージしやすいでしょう。また、アミロイドβは血管の壁に沈着することもあり、脳出血の原因となることもあります。 脳が活動したときに生まれる老廃物・アミロイドβ、通称“脳のゴミ”。この物質の蓄積がアルツハイマー病発症の引き金と考えられています。 「アミロイドβ(ベータ)」は脳内で作られる、たんぱく質の一種です。アルツハイマー型認知症の発症に大きく関わっていると考えられており、「アミロイドβたんぱく質」、「アミロイドβペプチド」、「Aβ」などと表されることもあります。アミロイドβを説明する前に、まずアルツハイマー型認知症の脳で何が起こっているのか、簡単に説明します。20世紀の初め、ドイツの医学者アルツハイマー博士は、生前に妄想や記憶障害のあった女性の脳組織を顕微鏡で調べ、脳の萎縮や、脳内のシミのような物(老人斑)、脳神経の中に糸くずのようなもつれ(神経原線維変化)を発見しました。その後、この特徴を示す病気を老人性の物忘れと分けて「アルツハイマー型認知症」と呼ぶようになったのです。アミロイドβは、アルツハイマー型認知症に見られる老人斑の大部分を構成しているたんぱく質で、健康な人の脳にも存在し、通常は脳内のゴミとして短期間で分解され排出されます。しかし、正常なアミロイドβよりも大きな異常なたんぱく質ができてしまうと、排出されずに蓄積してしまうのです。実は認知症を発症する20年も前から脳に溜まり始めていると言われています。蓄積したアミロイドβは、脳細胞を死滅させると考えられています。記憶の主体である脳細胞が死滅すれば物忘れが起こると考えれば、イメージしやすいでしょう。また、アミロイドβは血管の壁に沈着することもあり、脳出血の原因となることもあります。かつてはアミロイドβの蓄積を確認するには、死後の脳組織を顕微鏡で観察するしかありませんでした。しかし、今ではアミロイドPET(アミロイドイメージング)という検査により、画像診断で生きている人の脳内のアミロイドβの蓄積量が分かるようになりました。体を作る栄養素たんぱく質は、体内でアミノ酸に分解され一旦肝臓に蓄えられます。そこから各臓器に送られ、アミノ酸からそれぞれの臓器に必要なたんぱく質が作られます。アミロイドβは、脳内で作られたたんぱく質が分解されたもので、40個前後のアミノ酸からできています。分解される時の微妙な切れ目の差で、無害で排出されやすいものと、毒性が強く、たんぱく質同士が互いにくっついて脳に溜まりやすいものに分かれます。蓄積のメカニズムについては、まだ完全には解明されていませんが、加齢などにより分解や排出がうまくいかなくなると、毒性の強いアミロイドβが溜まり始めると言われています。最新の研究では、アミロイドβの蓄積をアルツハイマー型認知症の始まりとする「アミロイドβ仮説」に基づき、毒性の強いアミロイドβの産生を抑え、分解や排出を促す方法が研究されています。アルツハイマー型認知症の発症について以下の仮説で、2010年に提唱されました。アルツハイマー型認知症の原因と考えられている仮説の中でも、現在最も有力と言われているものです。1.たんぱく質を分解する酵素の働きの変化により、蓄積しやすいアミロイドβの割合が増えて脳に溜まり始める。現在の新薬開発の主流は、このアミロイドβ仮説に基づいていますが、他にもアリセプトやレミニールなど、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬開発の元となったアセチルコリン仮説やオリゴマー仮説などがあります。アミロイドβ仮説を否定し、別のアプローチをする研究もあります。アミロイドβが溜まって老人斑ができ、神経原線維変化が起こると、必ず認知機能が低下してしまうのでしょうか。実はそうではありません。老人斑や神経原線維変化は、アルツハイマー型認知症の人に特徴的な変化として現れますが、アルツハイマー型認知症ではない人にも見られます。これらの変化は、現段階ではアルツハイマーの「原因」ではなく、あくまでも「結果」なのです。中には老人斑や神経原線維変化がたくさんあっても、症状が出ない人もいます。例えば、アメリカの修道女シスター・メアリーの話が有名です。死後、脳の病理解剖によってたくさんの老人斑や神経原線維変化が見つかりましたが、101歳で亡くなるまで認知症の症状は一切出ていませんでした。他にも研究に協力した多くの修道女で同様のケースが確認されています。これらのことから、生き方、脳の使い方に認知症予防の鍵があるのではないかと、現在更なる研究も進められています。現在、アミロイドβをターゲットとする研究が進められています。2007年に開始されたアルツハイマー型認知症研究プロジェクトJ-ADNI(ジェイ・アドニ)では、アミロイドPETにより、生きている人の脳のアミロイドβ蓄積量の変化を長期にわたり追っているところです。新薬では、開発中の抗アミロイドβ抗体「アデュカヌマブ」が臨床試験の最終段階に入っており、期待が高まっています。アミロイドβは特にアルツハイマー型認知症にとって大きなキーワードです。ただし、修道女のエピソードなどからも、認知症の予防の鍵はアミロイドβだけではないことが分かっており、脳の使い方を工夫する予防法の研究も、盛んに行われています。Copyright(C) SMS Co.,LTD.
これまで、アルツハイマー病の原因は「アミロイドβ(ベータアミロイド)」というタンパク質が脳内で蓄積し、大きくなることによって神経に傷を付けていることだと考えられていました。その研究結果を活かした治療薬も、現在開発中です。 近年の研究は、APPとそのアミロイド形成能の歴史は古く、初期のAβの正常な機能はあまり解明されていないAβはアミロイド斑(アルツハイマー病の患者の脳に見つかる細胞外沈着物)の主要な構成要素である可溶性オリゴマー状態のペプチドがアルツハイマー病の発症の原因因子である可能性が、研究からは示唆されており脳のAβは孤発性アルツハイマー病の患者で上昇している。Aβは脳実質と脳血管のアミロイドの主要な構成要素であり、脳血管の病変に寄与し、神経毒性があるAβの総量、またはAβ40とAβ42の相対的濃度[前者は脳血管の斑に、後者はneuritic plaque(周囲に神経突起を伴う老人斑)に濃縮されている]のいずれかの増加とアミロイド斑がアルツハイマー病の病因であるとする「AβはAβは、機能未知のこの治療的アプローチの大きな問題の1つは、β-セクレターゼやγ-セクレターゼのような、アミロイド形成経路以外にも機能的な役割を持つ酵素に干渉しなければならないことである。そのような例としてはγ-セクレターゼ阻害剤によってアプローチした臨床試験が挙げられ、この試験は重度の認知機能障害および皮膚がんの発生率の上昇などの結果に直面したAβはAPPのAPPの遺伝子はAβは一般的に低温・低塩状態では、β構造を持たない五量体の円盤状のオリゴマーを単離することが可能であるAβが神経を損傷し細胞死を引き起こす方法として示唆されている機構には、自己凝集の過程におけるアルツハイマー病の研究者は、アミロイドに対する可能な介入戦略をいくつか発見しているβ-セクレターゼとγ-セクレターゼはAPPの細胞内ドメインからAβの産生を担うため、これらの活性を部分的に阻害する化合物が熱心に探し求められている。β-セクレターゼとγ-セクレターゼの部分的阻害を開始するためには、化合物はアスパラギン酸プロテアーゼの巨大な活性部位をブロックする必要があるが、それと同時にイメージング化合物、特にAβは免疫染色によって準定量的に測定することが可能であり、またAβが存在する位置も決定することができる。Aβは、脳アミロイド血管症の場合のように主に血管に存在するか、またはAβを検出する高感度の手法の1つは